『神々の祝詞』(イラスト)
 
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『思い出の堕つる処』

●最近こんな構図がやけに多いのは、あれだ、病気のせいではない。
と、言い張る。
この絵のモデルはリリラと宿敵トリックスター・ロキです。ロキはそのあまりの美貌のために仮面をつけているのですが、世界ができて間もない頃、天界の白の玉座にいたセレスティアを誘惑し、その果てに殺したリリラの宿敵です。
セレスティアに愛しているとささやき、“白き世界”(アロード)の心臓をもぎ取らせ、ウンディーネとアポロンを戦わせ、その果てに勝利したアポロンをセレスティアに殺させ、神が入ることの許されない白の玉座―真の神々の楽園―に案内させた極悪人です。その饒舌さは天界一。
彼が求めたのは、唯一つ。
太陽の神、ネフィア。その、光りだったんです。

●凄まじい激戦に血濡れ、瀕死のロキに近寄ると、リリラはその頭をそっと自分の膝に乗せた。ロキはかすみかけた視界で一生涯の敵を見据え、自嘲気味に笑う。
「この世で、最強なのは、私だ。」
ロキの言葉に、リリラは微笑んだ。
「知っているさ。」
「なのに貴方は・・・私と戦ったのに、返り血一つ浴びていない。」
「・・・」
「私は貴方が憎い。同じ闇でありながら、太陽の寵愛を一心に受け、独占している貴方が。ナゼです?ナゼ、私ではダメだったのです?」
その問いにリリラはそっと首を横に振った。かつて自分が―セレスティアが愛した男。命をささげ、なお裏切られた男。そして今、その因果は彼の死をもって完全に断ち切られるだろう。
「貴方は、誰です?」
美しい顔が血に穢れる。何とか伸ばされた体温の失われていく手をしっかりとリリラは握った。
「貴方は、真の神だという。闇の女王だ言う。なのにどうして、同胞である我々の導き手にはなってくれなかったのか・・・。貴方は戦女神だという。ならば貴方は・・・何と・・・何と戦っておられるのか・・・」
ぐったりと手首が力をなくし、その体が重さを増した。暗い影の落ちた死に顔は、それでもなお、何かの羨望と憎悪を宿し、リリラをまっすぐに見つめていた。
何一つ答えられなかった問いの数々。瞳を閉じ、再び開いた時にはもういつものリリラの瞳に戻っていた。
そこには、哀れみも、悲壮もない。ただ、ゆっくりとロキの瞳を閉じると立ち上がった。
振り返った先、泣きそうな顔で、天使が笑っていた。

●TITLE・・・『思い出の堕つる処』
 DATE・・・2009・11・5
 BGM・・・『CONTRAST』志方あきこ



Saturday, 13, Feb 15:54 | トラックバック(0) | コメント(0) | リリラ関係 | 管理

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