『神々の祝詞』(イラスト)
 
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『分かつものの欠片』

●前回の絵にちなんでレイラとリリラの前世の絵です。
内気なレイラをリリラが町へ引っ張り出しているような感じの絵なんですが、昔はレイラもまともなかわいらしいお嬢様だったわけです。
レイラがおかしくなったのは、リリラが暗殺された後、世界を呪い、狂気を孕んだのがはじまりなので、それまでは姉に手を引かれるかわいらしいお嬢様でした。
そんなちょっとだけ明るいイラストです。

●暗い書斎に女王は眠っていた。大量の政務の書類の上でひっそりと眠る様は、リリラを知らない者が見たならば、“眠る天使”と誇称したかもしれない。
しかしそれを見つけたのは残念ながらクロムとネオだ。
日々の政務に疲れたのではなく、恐らくあらゆる取り巻きたちから逃げるのに疲れたのであろう、政務はまったくといっていいほど進んでいない。
フフフ、とまるで華の様に可憐に笑ってネオはその肩にブランケットをそっとかけた。
「あぁ?」
クロムはリリラの手にして眠っているものを見て首をかしげ、それに釣られてネオも覗き込むと、まぁ、と小さく感嘆の声をあげた。
どこから見つけてきたのだろうか。その手には今は亡き彼女の半身が、彼女と手を取り合って駆けている写真が握られている。
「どっちがどっちかな?」
そっくりな2人を見て、ネオは天使のようにやさしい微笑を浮かべた。一方クロムはデスクに胡坐をかくと、馬鹿にしたように半目で笑う。
「アホ、見りゃわかるだろ?この根性曲がってそうな卑しい面のほうがこいつに決まってんだろ。」
「活気がある、っていってあげてくれない?」
ネオが笑いをかみ殺して言うと、クロムは写真から目をそらせた。
「仲、よさそうだね。」
ネオがつぶやいた。それを聞くクロムの背にそっと狂気が滲んだのを感じ、ネオはニヒルに笑う。
「何?僕が引き裂いた、とでも?」
クロムは振り返り、ネオを軽く睨むとデスクから飛び降り、音もなく床に着地する。
「いつまでも、手のひらで世界を回してたら、なくしちまうぜ?大切なものを。」
天使はただ、静かに微笑んだ。そっと闇よりも黒い漆黒の髪をなで、その手から写真をとると、そっと火をつけた。
ゆっくりと、ゆっくりと灰になっていくその欠片と共に、リリラの記憶が緩やかに薄れていったことなど、誰が知ろうか。
暗黒の天使は、ただ、微笑んだ。

●TITLE・・・『分かつ者の欠片』
 DATE・・・2009・11・2
 BGM・・・『詩人バラッドの悲劇』SOUNDHORIZON



Thursday, 11, Feb 22:04 | トラックバック(0) | コメント(0) | リリラ関係 | 管理

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